2013年3月30日土曜日

洗濯表示タグ ラベルについてのお話 2

輸入製品には洗濯表示のタグがダブルで付けられている事が良くあります。
輸入元がしっかりしていれば必ずダブルで付いています。製造販売元と輸入販売元です。

左の日本語表示は手洗いはできません。
ドライクリーニング指定です。
こちらは製造元です。
手洗いOK ドライクリーニングももちろんOKです。
では、消費者の皆さんはどちらを目安にクリーニング依頼を選択しますか?


正解は、私にも解りません。
しかし手洗いということができるのは確かですよね。
製造国ではやって良いですよと表示していますから。

では、この商品の素材は何でしょうか?
毛50% アクリル50%の混紡製品です。

私たちプロの目から見れば手洗いは当たり前にできます。

家庭でもできる類です。
こちらのセーターは
made in italy
wool 100%
日本では手洗いはだめです。
イタリーでは手洗いOK。



こちらも同様。
輸入元はだめです。

素材はシルク35% カシミヤ35% 毛35%です。
日本では、普通に考えたらドライクリーニング100%間違いないです。

ところが製造元では手洗いはOKです。

海外の方は結構手洗いで着ているかたが多いのかな?

この品物はとてもデリーケートなものです。
家庭でもし手洗いしたとしてもハンドアイロンで仕上げることはプロ並みの腕前を要求されます。

海外のかたはアイロン掛けがうまいのか?、
または、洗いざらしでもよいと言う考えもあります。
クリーニング前です。
細かなニット刺繍があります。
普通のクリーニング店でも手洗いはビビリますね。(チェーン店とかはやらないと思います。)

販売元は、家庭で洗うと言うことは想定したくないでしょう。
ドライであれば間違いはないですね。







結論は出ましたか? 実は正解と言うものはないのが実情です。
これらの表記を見てドライクリーニングのみで行うのが一般のクリーニング店です。
現行の家庭用品品質表示法の規定では
消費者に対する洗濯方法の目安を示しているだけで、クリーニング業者に対するものではありません。消費者任せなだけでクリーニング業者のしてもそれは一番容易な方法であるからです。

実情はそれ以上(手洗い、シミ抜き)のことをすれば手間と同時にリスクが発生します。

ドライクリーニングが好きな方は水で洗うと型崩れや縮んででしまう、または色合い、質感が変わるといったとを恐れて水洗いを拒否する方もいます。
表記どおりに洗わないとどんなになるのか不安が起こると言ったことなんでしょう。
ただ、ダブル表記された場合消費者はどうしたらいいか、わからなくなるのではないでしょうか?

あるお客様が海外で購入された有名ブランドのニットTシャツをお持ちになりました。
同時期に別のお客様が同じ有名ブランドのニットTシャツをお持ちになりました。こちらは日本で購入したものでした。
タグは、海外購入はタグひとつで手洗い。 日本で購入は、ダブル表記で、日本表記は手洗いX 
ドライのみです。

ここからは私なりにタグ表記というものをを解読してみました。
(勝手な解釈なので信じ込まないでください)

海外表記のタグは、自己責任型。
商品は表示どおりに洗えば着られます。
洗えば型崩れも起きるし色落ちもすることだってあるよ。
着てしまえば汚れもするし穴も開くのだからね。
クリーニングに出したって新品みたいになる訳ないでしょ。
(海外の知人からの情報ではクリーニングの出来上がり方は日本では考えられないくらいひどいです。)

日本表記は責任放棄型
ドライクリーニングで洗えば型崩れや色の変色、縮むといった事はありません!
ドライクリーニングしたほうが安心です。
手洗いはダメです。
むやみ洗濯機などに入れて洗うと型崩れ、色落ちなども発生するかもしれない。
たとえ洗えても元のとおりにアイロンを掛けられますか?
大切な品物でしょ。やっぱりクリーニングに出しておけば間違いないでしょ。

で、日本のクリーニング店は責任を投げられているわけです。
仕方ないので表記どおりに洗っていれば、間違いない。
汚れが落ちていようが落ちていないかは関係ない。ドライクリーニングしたのだから。

おなじTシャツでも汚れは着用した人によって千差万別です。
タグ表記によって縛られることなく、汚れの具合で柔軟な考えを持って対応をすることがベストです。

人それぞれにきれいになったという基準は異なります。
クリーニングに出して袋をかぶせられた品物が戻ってくればきれいになっているという方もいれば、
新品に近い状態で戻ってくるのがクリーニングだという方もいます。
クリーニングを利用せず、きれいにならないから自分で洗っているという方もいます。
タグを無視して洗っている方は自己責任を果たしているということですね。

長い話になってしまいましたが、ラベルからはこんなことも語られるということです。

良いクリーニング店選びの基準。
クリーニング店でタグの話をして、さらりと答えられるお店を選ぶこと。
(責任のある仕事をしていると思います。)


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